令和4年 年頭挨拶
網走商工会議所 会頭 北村 讓二
輝かしい令和4年の新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症の第3波の中で年が明け、さらには夏から秋にかけて、一日当たりの新規感染者数が過去最大を記録した第5波に見舞われました。その後、ワクチン接種が進んだことで、感染者数は大幅に減少し、10月1日に全国に発令されていた緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が解除されましたが、新型コロナウイルス流行の落ち着きに伴い経済活動が再開しつつある中で、新たな変異株が見つかり、不安を抱えたままの一年となってしまいました。
そうした中で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が1年の延期を経て紆余曲折の中開催されました。大会期間を通じて日本人選手の活躍、世界各国のアスリート達の躍動する姿を見て、コロナ禍という困難の中で、冷静に競技に立ち向かう選手達に、私たちは感動と勇気をいただきました。コロナ禍の中で明るい話題となり、トンネルの先の光になったのではないでしょうか。
網走市におきましては、ワクチン接種の取り組みが順調に進んだことで、感染者数・医療機関等がひっ迫している状況にはならなかったものの、1年半にも及ぶ事業活動の制約により、消費マインドが著しく低下し、不要不急の外出自粛などと重なり人の流れが大きく減少したことで、特に人流で成り立つ飲食業、宿泊、交通、観光関連業を中心に大きな打撃を受け、今なお厳しい状況が続いております。
このような状況の中、網走商工会議所ではワクチンの職場接種の他、新型コロナウイルスの影響により、打撃を被る事業者及び地域経済に対し、網走市と歩調を合わせ各種支援金の申請支援、社交飲食応援券事業の実施、国・道の給付金相談等、効果的かつ迅速な支援を実施し事業者支援のワンストップ窓口としてその機能を果たしてまいりました。
さらには、一昨年8月に開設した網走の名産品や観光資源を訴求できる特設の通販サイト
「あばしり自満プロジェクト」を完全リニューアルし、ウイズコロナ期の販路拡大策にも
積極的に取り組んできたところでございます。
今後は、一日でも早く事業者の不安を取り除くために、困窮する事業者に対する支援の強
化と、感染状況を見据えた中で、さらなる需要・消費喚起策の遂行に全力を尽す所存です。
また、網走市の事業者を取り巻く環境は、コロナによる影響以外にも、少子高齢化の進展による人口減少問題、恒常的な人手不足、事業承継の円滑な移行など様々な課題に直面しております。他方でテレワークや電子商取引を活用した事業の再構築に取り組む事業者も増えてきております。
商工会議所ではこうした傾向を課題解決の糸口と捉え、網走市や関係機関とも連携し、事業者のデジタル化を推進し生産性向上と経営効率化を後押ししていきます。また、所内においても経営相談のオンライン化、既存事業におけるデジタル活用の取り組みを並行して進めていきたいと考えております。
網走商工会議所は昨年11月で創立75周年を迎えました。本年は心を新たに「信頼される商工会議所」「行動する商工会議所」の理念のもと、新たな取り組みを通じて事業者支援と地域振興に全力で取り組んでまいりますので、皆様方の一層のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりますが、本年は壬寅年となります。この壬は60年に一度の年と言われ「陰が陽に転じる」という意味合いがございます。新型コロナウイルス禍が収束を向かえ、皆様にとりまして実り多い輝かしい一年となりますことをご祈念申し上げ新年の挨拶と致します。